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デザイン2024.07.22

高齢者をターゲットにしたデザインの注意点

高齢者は視覚、聴覚、認知機能において変化に直面するため、高齢者に適したデザインが重要となります。デザインが適切であればあるほど、製品やサービスの利用が容易になり、高齢者の生活の質の向上に直結します。特にデジタルデバイスやウェブサイトの利用が増える中で、高齢者も情報技術を使いこなすことが必要ですが、その障壁を低減するデザインが求められます。今回の記事では、デザインをする上でのポイントをいくつかピックアップしました。デザインに関わる業務のヒントになれば幸いです。

コピーライティングの工夫

◉明確性と簡潔性
高齢者向けのコミュニケーションにおいて最も重要なのは、言葉遣いが直接的で分かりやすいことです。複雑な文や専門用語、略語は避け、常に情報を簡潔に、かつ具体的に提供することが求められます。

感情への訴え
高齢者は感情に訴える言葉に敏感であり、安心感や信頼感を与える言葉を選ぶことが大切です。親しみやすい言葉遣いを心掛けることが効果的です。

◉視覚的サポート

テキスト情報だけでなく、視覚的な要素を用いてメッセージをサポートすることも重要です。大きく明確な画像やアイコンを使用して、テキストの内容を補助します。

フォントと読みやすさの最適化

◉大きさと読みやすさ
フォントサイズは少なくとも12ポイントを基準に設定し、目に優しい大きさで表示することを推奨します。行間も広めに取り、文字の詰まりがないようにすることが視認性を高めます。

◉フォントスタイル
読みやすさを優先してゴシック体を選びます。装飾が少なく、はっきりとしたフォントが高齢者には理解しやすいです。

◉コントラスト
文字と背景とのコントラストは非常に重要です。高コントラストの設定は読みやすさを劇的に改善することができます。暗い文字に明るい背景、またはその逆の組み合わせを選ぶことが一般的です。

◉UDフォントの利用
UDフォント(ユニバーサルデザインフォント)は、老若男女を問わず誰もが読みやすいことを目指して開発されたフォントです。特に高齢者や視覚障害を持つ人々にも配慮されており、数字と文字の区別がしやすく、同じ文字でも異なる形で表現されることが少ないため、誤読のリスクを減少させます。高齢者向けのデザインにUDフォントを取り入れることで、全体のアクセシビリティを向上させることができます。

色の選択と視認性の向上

◉色彩の選択
落ち着いた色調の方が高齢者には見やすく、心地よいと感じられることが多いです。鮮やかな色もポイントとして用いる場合は、明度を調整して柔らかい印象にすると良いでしょう。

◉コントラストと明度
色同士のコントラストを適切に設定することで、視覚的に区別しやすくなります。また、明るすぎると眩しく感じられることがあるため、全体的なデザインの明度も考慮する必要があります。

◉色覚特性の考慮
加齢によって水晶体が黄色く変化してくると、視界も黄みがかって見えるようになります。この変化を考慮して、色の選択や配置を行うことが重要です。特に青色が認識しにくくなることがありますので、青を主要な色として使用する場合は、他の色とのコントラストを強くして視認性を高める工夫が必要です。
下記写真のように、青い炎が見づらくなってきます。

まとめ

高齢者向けのデザインは、身体的・認知的変化を理解し、それに適した方法で情報を提供することが求められます。文章は明瞭で、フォントは読みやすく、色の使用には特に注意を払う必要があります。これらの基本を抑えることで、高齢者にとって使いやすいデザインを実現することができ、保険募集上においても加入を促進することができます。

株式会社パイルではUCDAの資格を保持し、Uユニバーサルデザインの観点でデザインすることが可能です。高齢者向けのデザインにお困りの場合、ご相談ください。

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