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マーケティング2019.02.12

顧客の片付けるべき用事とは

皆さまが商品を購入しようとする際に、その商品によって何を解決しようとしていますか?

例えば、休日の外出用の服を購入しようとした場合、「おしゃれに見える服」を購入したいと思っている方は多いと思います。またはウォーキングに出掛けるための服を購入しようとした場合、見た目以外に「汗の速乾性」など機能面を重視して購入する場合もあるかと思います。「同じ服を買う」という行為でも、抱えている「用事」によって解決できる商品を選択しているわけです。

また、置かれている状況により、商品を選択する理由も異なってきます。「自転車に乗って出掛ける場合」と「徒歩の場合」とでは置かれた状況は全く異なります。自転車ならスカートをやめてパンツの方がいいという心理的状況が働くかもしれません。または、自転車搭乗中にパンツの裾を擦って汚したら嫌だなと思うことも考えられます。

こうした状況における顧客の感情面を理解することにより、商品やサービスの購入プロセスを見直す事ができ、次の3つの取り組みが可能になります。

①改良の正しい方向性の発見

自転車での外出を想定した場合、スカートではなく裾が広くないパンツスタイルの提案や商品開発が見出せるかもしれません。

②真の競争相手の認識

自転車での外出を想定した場合、他のアパレルブランドではなくアウトドアメーカーが販売している服を競合として捉えるのも1つです。

③新市場と商品の開拓

顧客の用事にはそれに見合う商品やサービスがないことが多く、新たなニーズや見逃していた顧客を発見することが可能となります。

このような顧客の感情面から商品やサービス購入を見直すプロセスは、

お客さまの「保険選び」にも参考にすることができそうです。

 

例えば、医療保険を検討しているお客様の場合、解決したい問題は病気になってからの入院や手術、先進医療などの「金銭リスクの回避」となります。金銭リスクの回避というのは、その奥には妻や子供に迷惑をかけたくないという感情があり、さらには病気になってもしっかり治療をして、長生きがしたいという人間としての本能があると思います。

 

つまり、「長生きがしたい」という用事のための 解決手段として医療保険を選択するわけです。

「金銭リスクの回避」から「長生きするために選ぶ医療保険」へと文脈を変えれば、商品設計や告知の仕方、窓口案内などを見直す事ができそうです。

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